兵庫県加東市北部の山頂に立つ播州清水寺は、御嶽山(みたけさん)の自然の中で1300年以上続いてきた天台宗のお寺です。インドから渡来した法道仙人が627年に創建し推古天皇の勅願で根本中堂が建立されたのが始まりです。もともとは水に乏しい地で、法道仙人が水神に祈ると霊水が湧き出て一帯を潤したことから「清水寺」の名となり、今も霊泉が湧く「おかげの井戸」は、水面に顔を映すと寿命が3年延びるとして人気のパワースポットになっています。

標高552mの山頂に立つ境内は、麓よりも気温が低く一足早く秋が訪れます。そのため、毎年11月初旬から紅葉が色づき始めます。

また、境内は自然豊かでとても広く、阪神甲子園球場の1.3倍ほどあります。そこを約1000本の紅葉がまっ赤に染めて行く様は圧巻で、山寺の壮大な風情がいっそう増す時期でもあります。

紅葉は、江戸時代に造られた石垣が残る参道と境内の中心に位置する大講堂周辺から色付きはじめます。

大講堂回廊からの眺望
大講堂回廊下の庭園

続いて、境内の南西に位置する旧山門近く「引退ポスト」のあたりが少し遅れて色付きます。

「引退ポスト」と呼ばれる旧型ポストが佇む大講堂の西側あたりは紅葉の隠れ名所とも言われる
手水舎に浮かぶ紅葉も美しい

このように、広い境内は見頃の時期が少しずつ異なるため、長いあいだ紅葉を楽しむことが出来ます。

引退ポスト横の大銀杏

今年の秋は、奥兵庫にある播州清水寺まで足を伸ばして山寺ならではの紅葉を楽しんでみてはいかがでしょうか。

【紅葉の見頃】

◆大講堂回廊周辺:11月20日頃〜29日頃

◆引退ポスト周辺:11月23日頃〜12月初旬頃

※見頃の時期は天候によって多少異なります。ご来寺の際は播州清水寺公式SNSの情報を参考にしてお越しください。